九谷焼の置物の新シリーズの発表になります。「デコモリコレクション」その第一弾は「象」をモチーフとした作品が完成致しました。「デコモリ技法」につきましては下記にて説明させて頂いております。九谷焼の置物の中でもこの「デコモリ」という独特な彩色技法で絵付された作品、かなりインパクトの強いビジュアルで迫ってきます。このシリーズを製作するきっかけとなったのが置物専門の窯元で見た古い貿易用資料でした。紙は既に茶色に変色し写真はモノクロ、でも当時はこの資料(カタログ)を作るのに相当な費用がかかったものだと思います。所々に記される英文での説明書きから歴史を感じることができました。詳しい話を聞いてみると当時、九谷焼の貿易が盛んだった頃、インドから欧州にかけての富裕層からの特注品として作られたのが「象」の置物だったそうです。一説には海外での評価を得る為に描きだされたのがこの独特な雰囲気を生み出す「デコモリ技法」だということも聞いています。そんな先人達の海外への挑戦の歴史を知り、今一度この「デコモリ」を当時のクオリティで再現したいという想いで製作したのがこのシリーズになります。 この一冊との出逢いが教えてくれたのは “JAPAN KUTANI”として九谷焼が世界に挑戦していた 先人たちの歴史と華麗なオブジェ(置物)の存在でした。 セピア色の写真の中で輝きを放つ作品達を復活させたい そんな想いを抱かせてくれた一冊。海を渡り世界に挑戦したこの「デコモリ作品」を当時のクオリティで再現したいという想いで復刻製作したのがこの凸盛シリーズになります。 第一弾に「象」を選んだのも当時の貿易の足がかりになった作品だからという理由からです。圧倒的な存在感を放つ仕上がりになりました。力強い造形美と丁寧に施された「デコモリ」の神秘的な彩色。現代でも充分、通用するその完成されたデザイン、一つのアートとして海外に認めれた九谷焼のオブジェを、ぜひご堪能下さい。 置物に描かれている金色は絵具の境目に隙間がある場合や焼成の際の温度差によるくすみ色ムラがあります。また作品ごとに絵柄の配置や配色に若干違いがある場合もございます。 |
九谷焼には置物を専門に製作する職人がいます。生活空間の欧米化にともない置物を飾る場所や習慣が減少傾向にある現在、置物製作に携わる職人の数もそれにともない減ってきています。非常に高度な造形技術、そして彩色技術を必要とされる専門的な仕事を完全にこなせる熟練した職人は現代では大変希少な存在です。また技術の習得に時間を必要とする為、若手後継者が少ないのも事実です。しかし近年、再び縁起物という日本古来のパワーアイテムが注目され始めたことで置物職人の技が活かされる機会も増え始めてきており伝統の継承という未来への光が少しづつ見え始めてきています。縁起物が日本の伝統文化を代表する作品の一つとしてもっと多くの方々に知って頂き触れて頂ける機会を和座本舗は創造していきたいと思います。 |
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