不苦労、福来朗を願いて ふくろうの置物は世界中で幸運の鳥として大切にされているモチーフですが日本では、不苦労や福来朗などの語呂合わせや「福来」(福が来るの意味)「福籠」(福が籠にたくさんつまった様子)「福老」(幸福に年をとる)などのように縁起ものとして愛されるモチーフです。また夜行性ということ家の守り神や番人、夜目が利くことから先見の明あるとも言われています。海外では「知恵の神」「文芸の神」「森の護り神」とされています。 九谷焼のふくろうの置物が登場したのは近年になってからです。もともと招き猫等の縁起物が作られていた経緯から世界中で愛されている縁起物ふくろうをモチーフに置物専門の窯元により製作されたのが始まりです。しかし誕生から間もない九谷焼のふくろうですが、あっという間に縁起物のスタンダードとなり大切な記念日の記念の御品としてご支持頂いております。ふくろうという愛らしいモチーフ、九谷焼の置物ならではの鮮やかかつ斬新な色彩、デザインの融合が単に縁起物という枠ではなくアートオブジェとしての価値も高いことが人気の要因だと思います。一生に一度の大切な記念日に贈る記憶に残る御品としてお選び頂ければ幸いです。 ※ご紹介中の作品写真は撮影用の作品となりますので実際お求め頂く作品と色の濃淡や絵柄の配置位置などに若干違いがございますことご了承お願い致します。 |
九谷焼の一般的なイメージは「派手な焼物」と言われる事が多い。まさにその通りだと思います。三百五十年以上も前に、この石川県の地で焼物が作られたが鉄分を多く含む陶石を使っていたことからその性質上、真白な色の焼物にならず見栄えを良くする為に絵が描かれた事が九谷焼のルーツだと伝えられています。九谷焼は彩色することにより焼物に価値を見出したのです。以降、加賀百万石、前田家の豪放華麗な文化の中で、その加飾技術は磨き上げられ今日の絢爛豪華な作品の数々が生み出されました。そして明治期に輸出用の作品として贅沢に金を用い描かれた作品が現代の九谷焼の「派手」なイメージの基になっていることは間違いありません。もちろん九谷焼の中にも染付(藍と白)で描かれたシンプルな作品も多々あります。しかし最近になり感じるのは九谷焼の派手過ぎるくらいの彩色が持つデザインの強さ、近年、無駄はできるだけ省きシンプルを求めるデザインが多い中で、この九谷焼の無駄とも思えるくらいの加飾(かしょく)あえて過色(かしょく)とも言い替えることができる過度なまでのデザインには華やかな日本の文化を垣間見る事ができると思えるようになりました。JAPAN KUTANI、明治期、世界が賞賛したのは原色鮮やかで煌びやかな九谷、その華やかな色絵の文化こそ九谷焼が持つ最大の魅力だと思います。 |
九谷焼には置物を専門に製作する職人がいます。生活空間の欧米化にともない置物を飾る場所や習慣が減少傾向にある現在、置物製作に携わる職人の数もそれにともない減ってきています。非常に高度な造形技術、そして彩色技術を必要とされる専門的な仕事を完全にこなせる熟練した職人は現代では大変希少な存在です。また技術の習得に時間を必要とする為、若手後継者が少ないのも事実です。しかし近年、再び縁起物という日本古来のパワーアイテムが注目され始めたことで置物職人の技が活かされる機会も増え始めてきており伝統の継承という未来への光が少しづつ見え始めてきています。縁起物が日本の伝統文化を代表する作品の一つとしてもっと多くの方々に知って頂き触れて頂ける機会を和座本舗は創造していきたいと思います。 |
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