硝子と陶器の融合美 グラスの本体は味のある手作り江戸ガラスを使い足の部分を磁器で成型したものを使用し鮮やかな九谷焼の色彩で仕上げています。ワイングラスよりも小ぶりで細身なスタイルは冷酒を粋に楽しんで頂ける器であり、また工夫次第で前菜やちょっとしたオードブルの器としても重宝する作品です。個人的にはカルヴァドス等の洋酒を楽しむ器として使いたいと思うところです。手作りの吹きガラスならではの、どこか優しい透明感を通して見る九谷焼の色は非日常の風景を映し出します。いつもの時間がちょっと贅沢な時間に変わる、そんな作品です。 ガラス部分はすべて国内にて手作りされた吹きガラスのみにこだわっております。吹きガラスの特徴でもあります大小の気泡が含まれますことご了承お願い致します。 |
ふたつの伝統工芸の融合を最大の特長とする九谷和グラスは、商品の要となる接合部分の品質にも研究を重ね、接合強度を母材破壊レベルにまで高めました。これにより2006年度グッドデザイン賞(新領域デザイン部門)を受賞しています。 「グッドデザイン賞」は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する、総合的なデザインの推奨制度です。その母体となったのは、1957年に通商産業省(現経済産業省)によって創設された「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」であり、以来50年以上にわたって、私たちの暮らしと産業、そして社会全体を豊かにする「よいデザイン」を顕彰し続けてきました。その対象はデザインのあらゆる領域にわたり、受賞数は毎年約1,000件、55年間で約38,000件に及んでいます。賞はこの「グッドデザイン賞」と、さらに複数の「特別賞」で構成され、受賞したデザインには「Gマーク」をつけることが認められます。最新のアンケート調査では、このGマークの認知率は88%にも及んでいます。「Gマーク」は創設以来半世紀以上にわたり、「よいデザイン」の指標として、その役割を果たし続けています。 |
九谷焼の一般的なイメージは「派手な焼物」と言われる事が多い。まさにその通りだと思います。三百五十年以上も前に、この石川県の地で焼物が作られたが鉄分を多く含む陶石を使っていたことからその性質上、真白な色の焼物にならず見栄えを良くする為に絵が描かれた事が九谷焼のルーツだと伝えられています。九谷焼は彩色することにより焼物に価値を見出したのです。以降、加賀百万石、前田家の豪放華麗な文化の中で、その加飾技術は磨き上げられ今日の絢爛豪華な作品の数々が生み出されました。そして明治期に輸出用の作品として贅沢に金を用い描かれた作品が現代の九谷焼の「派手」なイメージの基になっていることは間違いありません。もちろん九谷焼の中にも染付(藍と白)で描かれたシンプルな作品も多々あります。しかし最近になり感じるのは九谷焼の派手過ぎるくらいの彩色が持つデザインの強さ、近年、無駄はできるだけ省きシンプルを求めるデザインが多い中で、この九谷焼の無駄とも思えるくらいの加飾(かしょく)あえて過色(かしょく)とも言い替えることができる過度なまでのデザインには華やかな日本の文化を垣間見る事ができると思えるようになりました。JAPAN KUTANI、明治期、世界が賞賛したのは原色鮮やかで煌びやかな九谷、その華やかな色絵の文化こそ九谷焼が持つ最大の魅力だと思います。 |
九谷焼において重要な役割を担っているのが各生産工程に携わる職人たちです。素地を成形する轆轤師、絵付を施す絵付師、特に九谷焼の場合は後者の絵付師の方々が多く仕事をされています。作品に型紙を当て、大体の当りをつけるだけで同じ絵柄を何枚も何枚も描くことができる熟練した技術の持ち主たちです。そんな重要な役割である職人も近年では後継者不足であり、後継者の育成が大きな課題となっています。表舞台に出ることが少ない職人ですが、日々、新しいデザインを研究しモノヅクリに挑む姿は、鬼気迫るものがあり、時代が求める「美しさ」を常に意識する感性には誇りを感じます。鍛錬に鍛錬を重ねた職人達の技術は世界に誇れる「技」だと思います。そんな職人の姿を作品を通してお伝えすることが私の使命であり、もっと多くの方々に職人の魂が込められた作品で感動や驚きを提供していきたいと思っています。 |
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